
古都・鎌倉と海沿いの湘南エリアを結ぶローカル線「江ノ電(江ノ島電鉄)」。ガタンゴトンと揺られながら車窓を眺めていると、ふと途中下車してシャッターを切りたくなるような、ノスタルジックな風景に出会えます。
丸いフォルムのレトロな車両、赤いポストが立つ極楽寺駅、民家の軒先をかすめるように走る路地裏、そして夕日に輝く七里ヶ浜の海。日常の喧騒を忘れさせてくれるような、情緒あふれる景色が沿線には点在しています。
この記事では、週末のカメラ旅にぴったりな江ノ電沿線の「絵になる絶景スポット」を厳選。移動時間を含めて所要時間およそ6時間、予算3,000円程度(交通費・飲食代目安)で回れる、ノスタルジックな風景を切り取るための撮影モデルコースをご紹介します。
※記事のポイント
江ノ電で巡る!ノスタルジックな絶景日帰りモデルコース
午前11時:極楽寺駅でレトロな駅舎と赤いポストを撮る

江ノ電のカメラ旅は、関東の駅百選にも選ばれている極楽寺駅からスタートしましょう。木造の古い駅舎と、その前に佇む丸型の赤いポスト。数々のドラマや映画のロケ地としても使われてきたこの場所は、「静寂とレトロ」という言葉がぴったりです。
- アクセス:江ノ電「極楽寺駅」下車すぐ(改札は1箇所のみ)
- 撮影のコツ:手書き風の木製駅名標を入れて、旅情を演出する
- 周辺情報:駅から徒歩3分の「成就院」の参道からは、初夏に紫陽花越しに見下ろす由比ヶ浜の絶景が楽しめます
極楽寺駅に着いたら、まずは改札外から駅舎全体を捉えてみましょう。周辺は非常に静かな住宅街なので、その穏やかな空気感ごと写真に収めるイメージでシャッターを切るのがコツです。
午後12時:力餅家周辺の路地裏で生活に溶け込む江ノ電を捉える

長谷駅方面へ歩き、お昼時は創業約300年の老舗和菓子店「力餅家(ちからもちや)」周辺の路地裏へ。ここでは、民家の軒先をかすめるように走る「生活の一部としての江ノ電」に出会えます。細い路地をガタンゴトンと走る姿は、まさに鎌倉ならではの原風景です。
- アクセス:江ノ電「長谷駅」から徒歩約4分、または「極楽寺駅」から徒歩約6分
- 営業時間:9:00〜18:00(水曜・第3火曜定休)
- 撮影ポイント:近くの御霊神社(ごりょうじんじゃ)前の踏切は、鳥居の目の前を江ノ電が横切る有名な撮影スポットです
力餅家の歴史ある店構えに江ノ電が重なる瞬間は、非常に風情のある一枚になります。撮影の後は、名物の「権五郎力餅(ごんごろうちからもち)」でおやつ休憩にするのもおすすめです。私有地に入らないよう、マナーを守って撮影を楽しみましょう。
午後1時30分:七里ヶ浜の海岸線で海と江ノ電の並走を切り取る
午後は、視界が開ける七里ヶ浜の海岸線へ。ここでは、太陽の光でキラキラと輝く相模湾をバックに、江ノ電が国道134号線と並走する爽快な景色を楽しむことができます。日常とリゾート感が混ざり合う瞬間をカメラに収めましょう。
- アクセス:江ノ電「七里ヶ浜駅」から徒歩約3分で海岸へ
- 構図のコツ:海と空の「青」の面積を広く取り、江ノ電の「緑」を際立たせる
- 周辺の楽しみ方:人気カフェ「Pacific DRIVE-IN」などでテイクアウトしたドリンクを片手に海沿いを散策
七里ヶ浜では、少し離れた場所から海、国道、江ノ電を一緒にフレームに入れるのが定番の構図です。国道を走る車やサーファーをあえて入れ込むことで、湘南らしいアクティブな雰囲気を演出できます。
午後3時30分:鎌倉高校前駅の踏切で青春のワンシーンに浸る

日が高いうちに訪れたいのが、鎌倉高校前駅のすぐ横にある「鎌倉高校前1号踏切」です。アニメ『スラムダンク』のオープニングに登場する聖地として、世界中からファンが訪れる超人気スポット。踏切の警報音が鳴り、緑色の車両が通り過ぎた後に真っ青な海が広がる光景は、誰しも胸が高鳴るはずです。
- アクセス:江ノ電「鎌倉高校前駅」下車、改札を出て徒歩1分(目の前)
- 撮影のコツ:逆光になりやすい午後は、あえてシルエットを活かしたノスタルジックな雰囲気に
- 【重要注意】:車道に出ての撮影や、踏切内への立ち入りは大変危険ですので絶対にやめましょう。
常に多くの人で賑わっている場所なので、周囲の通行の妨げにならない位置から撮影しましょう。少し視線を下げてローアングル気味に構えると、空と海が広く入り、すっきりとした一枚になります。
午後5時:稲村ヶ崎から江の島と夕焼け空、富士山のシルエットを狙う
旅の締めくくりは、夕景の名所である稲村ヶ崎へ。海に突き出た「鎌倉海浜公園 稲村ガ崎地区」からは、江の島のシルエットと、その後ろにそびえる富士山を望むことができます。空がオレンジから紫へと移り変わるマジックアワーは、息をのむほどの美しさです。
- アクセス:江ノ電「稲村ヶ崎駅」から徒歩約5分
- 撮影のコツ:日が沈んだ後、空が深い青に染まる「ブルーアワー」まで粘ると幻想的な色味に
- 周辺情報:撮影後は日帰り入浴が可能な「稲村ヶ崎温泉」で冷えた体を温めるのもおすすめ(18歳未満入館不可の大人向け温泉です)
富士山が綺麗に見えるかどうかは天候次第ですが、空気が澄んでいる秋から冬にかけては特に高い確率で絶景に出会えます。波の動きをスローシャッターで滑らかに写し取るのもおすすめです。
カメラが唸る!江ノ電沿線の写真撮影攻略法&立ち寄りスポット
鎌倉高校前駅:スラムダンク踏切だけじゃない!坂の上から見下ろす絶景

鎌倉高校前駅周辺は踏切に人が集中しがちですが、駅から少し坂(通称・七里ヶ浜高校の坂など)を上った場所から振り返ると、海と江ノ電を見下ろす素晴らしい景色が広がっています。
- 急な坂道、電柱、そして眼下に広がる海を縦構図で収める
- 海を背景に江ノ電が横切るタイミングを待つ
- 住宅地のため、静かに通行の邪魔にならないよう配慮する
少し高い位置から見下ろすことで海面の広がりが強調され、開放感のある写真が撮れます。あえて電柱や標識を入れることで、生活感のあるノスタルジックな雰囲気を演出できる人気の撮影スポットです。
海岸線:レトロな江ノ電車両「300形」と海をフレームに収めるタイミング

江ノ電には様々な種類の車両が走っていますが、写真映えを狙うなら板張りの床などレトロな趣を残す「300形」が一番人気です。七里ヶ浜から稲村ヶ崎にかけての海岸線で、海を背景にこの車両を捉えることができれば、まさに江ノ電のポスターのような一枚になります。
- 江ノ電は日中約12分間隔で運行するため、時刻表アプリ等で到着時刻を予測しておく
- 300形は編成数が少ないため、見かけたら逃さずシャッターを切る
- カーブを利用して、車両の顔と側面をバランスよく写す
どの車両が来るかはその日の運用次第ですが、待っている時間も湘南の海を眺めていればあっという間です。
七里ヶ浜:海沿いのレストラン「アマンダンブルー鎌倉」で特別な食事を
七里ヶ浜で特別な時間を過ごすなら、絶好のオーシャンビューを誇る「アマンダンブルー鎌倉」がおすすめです。基本的には結婚式場として使われている施設ですが、夏季限定などで一般向けのレストランやカフェとして営業している日があります。
- アクセス:江ノ電「七里ヶ浜駅」より徒歩約10分、または「鎌倉高校前駅」より徒歩約10分
- 注意点:事前に公式サイトでレストランの一般営業日をチェックし、予約をしておくこと
- 海風を感じるテラス席や、開放的なガラス張りの店内で食事を楽しみながら夕焼け空を撮影する
洗練された空間から眺める相模湾は格別です。もし営業日とタイミングが合えば、ちょっと贅沢なランチやサンセットディナーで、旅の思い出をワンランクアップさせてみてはいかがでしょうか。
長谷寺:可愛らしい良縁地蔵と海を望む見晴らし台
長谷駅で下車して立ち寄りたい「長谷寺」。境内には「良縁地蔵(和み地蔵)」と呼ばれる、にっこりと微笑む可愛らしいお地蔵様が数カ所に身を寄せています。
- アクセス:江ノ電「長谷駅」より徒歩約5分
- 拝観料・時間:大人(中学生以上)400円、小学生200円。8:00〜16:30(時期により17:00まで延長)
- 見晴台からは、由比ヶ浜の海と鎌倉の街並みを一望できる
良縁地蔵を見つけるとなんだかほっこりとした気持ちになれます。また、長谷寺の高台にある見晴台からは海が見渡せ、お寺の静寂と海の雄大さを同時に味わえる癒やしのスポットです。
よくある質問
-
Q江ノ電に乗るのに、何かお得な切符はありますか?
-
A江ノ電の全区間(藤沢駅~鎌倉駅)が1日乗り降り自由になるデジタル乗車券「のりおりくん(おとな800円/こども400円)」が便利でお得です。江ノ電の初乗りは200円のため、途中下車を4回以上繰り返して撮影スポットを巡るなら必須アイテムです。
-
Q撮影に特におすすめの時間帯はありますか?
-
A日没前後の「マジックアワー」と呼ばれる時間帯が特におすすめです。七里ヶ浜や稲村ヶ崎周辺では、空がオレンジから紫へ染まるドラマチックな写真が撮れます。日没の時刻は季節によって大きく変わるため、事前に天気アプリ等で日の入り時刻を確認しておきましょう。
-
Q写真撮影で、特に注意すべき点は?
-
A観光客や車が非常に多いため、交通ルールとマナーを守ることが最優先です。車道に出ての撮影や、踏切内への立ち入り、私有地への無断侵入は絶対にやめましょう。
-
Q鎌倉高校前駅の踏切は、いつも人が多いですか?
-
Aはい、平日・休日問わず世界中から観光客が訪れるため、日中は常に多くの人で賑わっています。人の少ない写真を狙うなら、早朝(朝8時前など)の時間帯に訪れるのがおすすめです。
まとめ

カメラを片手に巡る、江ノ電沿線の絶景スポットはいかがでしたでしょうか。
極楽寺駅の静寂な空気、生活に寄り添う路地裏の風景、太陽の光を反射する七里ヶ浜の海、そして夕景に浮かぶ富士山。江ノ電沿線には、何度訪れても新しい発見がある、趣深い景色が詰まっています。
今度の休日は、のんびりと電車に揺られながら、あなただけのお気に入りの風景を探す旅に出かけてみませんか?

